FIMACC通信

2017年10月11日

独自の染技法「サンゴ染」で癒しを伝える

 

沖縄の海からの贈り物のサンゴを使ったサンゴ染。その淡いパステル調のタペストリーが迎えてくれる施設のエントランスは、居心地の良さを感じさせてくれます。その作品のサンゴ染工房、首里琉染さんにご訪問し、大城裕美代表取締役にお話をうかがってきました。

首里琉染と「サンゴ染」

首里の町に飛騨高山のぬくもりのある古民家が建っています。昔ここには、首里城の綾門大道をはさみ、守礼門と対になる「中山門(ちゅうざんもん)」があり、その跡地に紅型とサンゴ染の「首里琉染」が店を構えています。
FIMACCのエントランスに飾られているタペストリーは、琉染さんのサンゴ染です。沖縄の海のように美しく、その色彩は訪れる人を優しく迎えてくれます。「白い壁に飾る予定とお聞きしましたので、ちょうど染め上がったものの色がイメージにピッタリで、ご提案させていただきました。病院の施設ですのでサンゴの意味合いがとても合いました。サンゴは古来から幸せを呼ぶと言われ、満月の夜にたくさん産卵することから、子孫繁栄、長寿を意味すると言われています」と琉染の代表、大城裕美さんはおっしゃいます。

「私どものお客様には不思議と看護師さんの方が多く、「癒される」との声も多くいただいています。サンゴは海からの贈り物で、柄も自然な形でできた模様ですので、「とても身体が元気になる」と。サンゴ自体がお守りのようなもので、神聖な場所には必ずあり、沖縄自体もサンゴに囲まれている島ですので、サンゴのパワーであふれています」

サンゴの化石を利用した優しい風合いの染色技法「サンゴ染」

首里琉染さんは、染色家である先代の故山岡古都氏が琉球紅型を始め、沖縄の染色文化の育成と発展をめざし、昭和48年に創業されました。植物染料と顔料を併用する色鮮やかな紅型は、沖縄独特の伝統工芸です。琉染さんは昔ながらの沖縄の天然染料にこだわり、草木染の原料として植物・伝統の手染め技法を使って作品を生み出しています。そして、自然からの贈り物であるサンゴの化石を利用した優しい風合いの染色技法「サンゴ染」は、自社琉染オリジナルです。

一つ一つ手作業で染められるため同じものはない

「現在ではサンゴを取ることは法律で禁止されていますが、私どもでは40年前のサンゴを使用しているので、内閣府からも応援していただいています。「サンゴ染」とは、化石のサンゴを平坦にカットして、その断面が花火のような模様に見えるので、その断面に生地を当てて、手ずりで色を重ねていきます。1点1点手染めで染め上げているので同じものが一つとしてありません」

「サンゴ染」のアイデアを生み出すきっかけをうかがうと「これまで紅型には500年以上の歴史がありますが、それ以外に沖縄らしいものが何かできないかということで、先代が考案したものです」とのこと。以前、石垣島の白保に工房があり、大型台風のあとの浜にある大きなサンゴを見てひらめいたそうです。



実際に工房におじゃましてみると、サンゴに生地を当てて、丁寧に色をのせて染めています。生地の質によっては染めることが難しいそうです。「特に薄い生地は難しく、デザインは一度生地を当てますと変更できませんよね。ですから、デザインしていく工程が大変難しいです。生地は、綿素材から麻、絹などで、特に絹は発色がよく、絹地に染めたものをガラスで加工して商品化しています」
 店内に飾られている作品はどれも色やデザインが美しく、眺めているだけでも癒されていきます。琉染さんの1階の店舗にはスカーフや風呂敷、ガラスの作品などが飾られ、2階では「サンゴ染」の体験が行われています。小さいお子様から最近では海外からの観光客の方々でにぎわっています。

「サンゴ染」は首里琉染が商標・著作登録したオリジナル商品で、今年、中小企業庁から「はばたく中小企業・小規模事業者300社」(※)の一社に選ばれています。サンゴを利用した新事業や海外からの受け入れなどが高い評価を受けました。ぜひ、一度、海からの贈り物サンゴ染の琉染さんに足をお運びください。

※「中小企業庁は、ITサービス導入や経営資源の有効活用等による生産性向上、積極的な海外展開やインバウンド需要の取込み、多様な人材活用や円滑な事業承継など、様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者を「はばたく中小企業・小規模事業者300社」として、選定しました」

プロフィール

首里琉染

左/大城裕美代表取締役 右/首里琉染さん外観

首里琉染(しゅりりゅうせん)

住所/沖縄県那覇市首里山川町1‐54
電話/098‐886‐1131
営業時間/9時~18時
定休日/無休
サンゴ染・紅型染体験/各大人3240円、子ども(小学生以下)2700円
HP/http://www.shuri-ryusen.com/