PET(Positron Emission Tomography)検査は陽電子放出断層撮影法のことで、心臓、脳などの体の中の細胞の働きを断層画像として捉えます。これにより病気の原因や病巣、病状を的確に診断することが出来ます。
FDG-PET検査は「がん細胞は正常細胞に比べ3~8倍のブドウ糖を取り込む」という、がん細胞の性質を利用します。ブドウ糖に類似した「FDG」と呼ばれる物質に放射性同位元素をつけた薬剤を投与し、約1時間後に撮影して、FDGが多く集まる部位を画像から特定することで診断するものです。
CTやMRI検査は病変の形態(形)を画像化して異常を診るのに対し、PET検査ではブドウ糖代謝などの機能から異常を診ます。病変の形態だけで判断つかない時に、働き(機能)の状況を同時に診ることで、診断の精度を上げることが出来ます。
FDG-PET検査は病期診断、治療効果判定、再発・転移診断等に有効です。また全身を一度の検査で診ることができ、リンパ節に移転したがんの有無の判断にも優れているため、病期診断には特に効果的です。
PET/CT検査とはPETの機能(糖代謝)画像と、CTの形態画像との融合画像による検査です。
二つの画像を融合することで、診断精度の向上や検査時間の短縮が図れます。
PET/CT検査はてんかん、心筋梗塞を調べるのにも使われます。下表の病気で、本検査が必要とされる条件を満たしたときは健康保険が適用になります。
FDG-PET/CT検査の保険適用
13N-アンモニアPETによる心筋血流診断
・他の検査で判断がつかない虚血性心疾患
注意事項
・保険適用についての詳細は事務局 098-942-3171 にご確認願います。
がん治療において大切なことは、早期発見・早期治療です。
PET検査では、従来の検査(CT、MRI、レントゲン等)では発見しづらかった初期のがんの発見が可能です。
1cm以下の「がん」を発見するには、現在ではPET検査がもっとも有効といわれています。
PET/CT検査では放射性医薬品を使用します。併せてCT検査による被ばく線量が加わります。1回のPET/CT検査における被ばく線量は、胃透視(胃のバリウム検査)とほぼ同程度で、この被ばく線量における身体への悪影響はありません。
また使用する薬剤もアレルギー反応や副作用についての報告はありません。